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テセウスの船

「テセウスの船」を考える

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ストーリーのしかけ

 

 

 

家族をどう呼ぶかというのは、その人の

人生観を表し、子供なら人格形成にも

繋がるように思います。

お父さんお母さんと呼ぶ人。

パパママと呼ぶ人。

名前で呼んだりあだ名で呼んだり、年齢に

よって呼び方を変えたりすることも。

 

 

 

主人公、田村心は大量殺人犯の死刑囚で

ある父親を「佐野」と呼び続けます。

そう呼ぶことで無関係の他人であると言い

聞かせるように。死刑囚の家族として責め

られ、母親は旧姓田村に戻り、世間から

隠れるようにずっと苦労をしてきたであろう

この家族の人生は、波風立たない平和な家庭

で育ってきた人には到底想像が及ばないなと

最初は感じました。

 

 

 

主人公が物心ついたときにはすでに事件は

起きており、父親とは面識も実感もありません。

 

 

 

大量殺人犯の家族として疲弊しきっている

主人公たちの家族。しかし読み進めるうち

主人公と気持ちが重なっていきました。

「過去の事件として忌避の対象でしかな

かったけれど、調べてみれば本当に冤罪の

可能性もあるんじゃないか?」物語は急転し、

夢か幻か、主人公が過去の事件を体感する

ようになった時、視点は主人公と重なります。

 

 

 

巧妙な筋立てだと感じました。「過去の事件」

はまだ目の前で始まったばかり。事件後とは

全く違う明るく元気な「家族たち」、半信半疑

のまま事件に巻き込まれていく主人公。

 

 

 

「佐野」が冤罪だとするなら真の犯人は。

その目的は。事件の真相によって主人公の人生観

が、呼び方が変わる日は来るのか?

先の展開に期待せずにはいられません。

 

 

 

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